
小学校へ入学する前に、やっておくべき準備ってあるの?
そんな疑問にお答えします。
- 公立小学校で10年間勤務した元教員
- 保護者と先生の支えになりたい
- 子ども大好き2児のパパ
- 「先生」&「保護者」の視点で解説します

詳しくはプロフィールからどうぞ。
小学校入学前にきちんと準備しておけば、子どもも安心して小学校生活をスタートできます。
一方で、小学校に向けた準備で『何をさせるべきか分からない』と悩んでいるパパ・ママも多いはず。
本記事では、手軽に始められるけど絶大な効果が期待できる「折り紙」について解説します。
- 幼児期に折り紙の経験が大事な理由
- 折り紙のメリット
- 折り紙の経験不足によるデメリット
パパ・ママの中には「習い事をさせるべき」と考えている人もいるでしょう。
しかし習い事を始めるには、意外とハードルが高いのも事実です。
そこで今回の記事では、誰でも手軽に始められる折り紙をテーマに解説します。
- 幼児期にできる手軽な知育が知りたい
- 小学校に向けて何をしたらいいか分からない
単なる遊びや暇つぶしで終わらない「折り紙」のメリットを、先生・親の2つの視点から解説します。
折り紙の経験が不足すると招くデメリットについてもまとめているので、ぜひ最後まで一読してみてください。
なぜ「折り紙」がおすすめなのか
折り紙は、たった1枚の紙から無限の形を生み出すことが可能です。
ゲームのように、ボタンを押せば操作できたり音が鳴ったりはしません。
あらかじめ使い方や遊び方が決まっていない玩具を「非構造的玩具」といいます。
幼児期のうちに「自分で考えて創造する姿」を経験することで、多くのポジティブな効果が期待できます。
- 指先を使う:指先を使うことで脳が刺激される。
- 作る工程を意識する:手順通りに折ることで、論理的な思考に繋がる。
- 完成形をイメージする:平面から立体を作るなど、想像力が伸びる。
さらに準備に手間がかかりません。折り紙さえ準備できれば、いつでも始められます。
柄がデザインされているものや、折る手順が始めからプリントされているものまで、折り紙自体の種類も豊富です。
また、100円ショップで購入できるなど比較的安価なので『始めやすく、続けやすい』というよさもあります。
この「折り紙の経験」によって、以下の5つの力が育まれます。
- 算数の基本的な理解が深まる
- 空間認知能力が磨かれる
- 忍耐力がつく
- 集中力がつく
- 自己肯定感が高まる
それぞれ、小学校生活でどのように活かされるのか解説します。
学校で活かせる力
算数の基礎
図形の理解が深まります。
正方形が長方形や三角形に変形するなど、図形の構成を直感的に理解しやすくなります。
また「半分に折る」ことで割り算や分数、ピッタリ重ねて折ることで「対称性」などもイメージしやすくなります。
みいせんの経験から:机上の学習だけでは限界がある
小学校2年生の算数で『三角形と四角形』4年生で『展開図』という学習が始まり、ここで多くの子がつまずきを感じます。
「この三角形を裏返すとどんな形になりますか?」という問いに対して、頭の中で図形を「回転・裏返す」という操作が苦手なのです。こうした子は、図形をただの「静止画」として捉えているので、少し形が変わるだけで対応できなくなります。
一方で、幼児期に折り紙の経験がある子は、この壁を軽々と越えていきます。
折り紙では 正方形が三角になり、開けば斜めの折り目が付くという「動的な変化」が連続します。
動きのある実体験の蓄積が、高学年の算数で求められる空間認識能力の確固たる土台になります。
教科書の上だけで「図形」を理解させるのは無理があります。
1枚の紙を実際に動かした経験こそが、算数のセンスを磨きます。
空間認知能力
平面の紙をどう折れば立体になるのかを、頭の中でイメージしながら活動します。
折った後の形や完成図をイメージして、仕上がりから逆算して作業するので空間を把握する能力が育ちます。
将来的に建築や設計などにも関係する高度な能力ですが、幼児期の間に経験できることに意味があります。
忍耐力
折り紙は、角が少しずれるだけで完成形が不格好になってしまうモノもあります。
難しい作品になればなるほど、細かな部分にまで注意しなければなりません。
納得のいく作品を1つ完成させるまで、長い時間を必要とします。
完成まで机に向かって作業する粘り強さは、小学校の学習にも直結する重要な能力です。
みいせんの経験から:忍耐力は全教科で生きる
勉強でもスポーツでも『忍耐力』は、結果に大きく影響します。
目標を達成した子どもは全員、目標達成まで諦めずに取り組んだ人です。
最後まで諦めない「忍耐力」が育っているだけで、小学校ではアドバンテージとなります。
集中力
上記でもありましたが、折り紙は細かい部分も丁寧な作業が求められます。
自分が納得いく作品を折るためには、ズレが無いように集中しなければなりません。
幼児の内に「集中して取り組む」という経験が大切です。
みいせんの経験から:まずは「聞く」が基本中の基本
集中力が必要な場面は学習時に限らず、先生や友達の話しを聞くという基本的な生活場面でも差が出ます。
先生の話を最後まで聞かずに「もうわかった!」と作業を始めてしまう、あるいは話の途中で意識が別に向けられるとミスを連発し、周囲からの信頼も失いかねません。
しかし折り紙は、手順を守らなかったり工程を飛ばしたりすると、決して完成には辿り着けません。
折り紙の「手順を確認する→実際に手を動かす」のサイクルは、学校の「話しを聞く→活動する」の学習サイクルと共通しています。
集中して話しを聞こうとする癖がついている子は、課題の要点を外さず汲み取ることができるようになります。
自己肯定感
折り紙は『小さな成功体験を積み重ねられる』ツールの1つです。
「ただの紙が自分の手で魔法のように形を変えた!」という感動は、子供にとって大きな自信(自己肯定感)になります。
失敗しても修正や再挑戦が簡単なので、何度も挑戦できる安心感も子どもの自身のある行動に繋がります。
自己肯定感の高い子どもは「自分ならできる」という思いが強いので、積極的に行動したり何度もチャレンジしたりする姿が増えます。
学校生活でもリーダーのような存在になるなど、ポジティブな影響を与える可能性が高くなります。
みいせんの経験から:折り紙博士はクラスの人気者
休み時間や隙間時間の過ごし方として『読書、自由帳、折り紙』が推奨されることが多くあります。
特に1年生は、校庭や遊具の使い方を教わるまで、教室で過ごす時間が多くなります。
ここで折り紙がサッと折れる子は「すごい!」「教えて!」と、一気にクラスの注目を浴びます。
自分の行動や作品が、仲間に認められる経験は何物にも代えがたい自信になります。
さらに不器用な友達に「こうしたらいいよ」と優しく教える姿は、クラスの手本でありリーダーそのものです。
『足が速い・勉強が得意・絵がうまい』と同じように『折り紙が上手』は、クラスで一目置かれる存在です。
習い事を始めるとなると、ハードルが高くて身構えてしまう人も多いはず。
折り紙なら気軽にスタートでき、万が一、思ったような結果にならなくても簡単に辞められます。

逆に折り紙の経験が少ないと悪影響があるの?
学校生活を軸に考えると、折り紙の経験が不足することで起こりうるデメリットもあります。
経験不足によるデメリット
折り紙の経験不足がもたらすデメリットを解説します。
先述したように、折り紙の経験は算数の学習と関連している部分が多くあります。
特に図形問題は、それまでの生活で「形」にどれだけ触れてきたかが影響します。
実際のモノを操作する経験の少ない子どもが、頭の中だけで図形を曲げたり回転させたりするのは至難の業です。
積み木やブロックと違い、自ら操作して形を作り出す折り紙は『図形を理解する活動』の基礎として効果抜群です。
折り紙経験が不足すると、算数の学習で内容が理解できず「算数嫌い」になる恐れがあります。
折り紙には「弱い力で繊細に紙を操作する」や「強い力で折り目をつける」など、指先の力をコントロールする動作が多くあります。
指先の力をコントロールできずにいると、学校生活で苦しむ場面が増えてしまいます。
例えば「はさみ」を扱う学習では、ちょうどいい力加減で操作ができなくなります。

はさみの「完全に閉じきらない切り方」ができない子どもが結構いるよ。
また、指先の力が弱いと鉛筆を正しく持てず、文字を書くだけで人一倍疲れやすくもなります。
折り紙の本に解説されいる『折り方』には、簡単な絵や短い文章など最低限の情報しかありません。
その少ない情報から「正しい手順・正しい折り方」を正確に読み取り、指示通りに折り進めると作品が完成します。
先生の指示を聞いたり課題の問いを理解したりするなど、学校生活でも「正確に指示を読み取る力」は欠かせません。
折り紙の経験が不足していると、指示を正確に読み取れなくなる可能性があります。

情報の種類も「目から入る情報」というのがポイントだね。
制作中には「失敗して、修正して、失敗して…」を繰り返して完成を目指します。
この試行錯誤する姿は、テレビゲームなどの遊びでは見られない特徴の1つです。
学校生活では失敗を前提とした活動が多く、試行錯誤する場面の連続です。
小さく失敗する経験が少ないと、失敗自体を極端に嫌がる「逃げ体質」となってしまいます。
折り紙にはその「小さな失敗」と、それを乗り越える成功体験が詰め込まれています。
親からの視点
いきなり「鶴」など、複雑な形を折る必要はありません。
まずは簡単なモノからスタートし、最終的には自分で折り順を見て折れるところまでサポートしましょう。
我が家でも実践している「4ステップ」をまとめたので参考にしてください。
ステップ①「折り紙に慣れる」
まずは折らずに「重ねる・丸める・破る」など、折り紙に慣れる時間からスタートしましょう。
- 重ねる:違う色の折り紙を重ねて「花」に見える
- 丸める:茶色の折り紙を丸めて「肉団子」に見える
- 破る:折り紙を破って偶然できた形から「見立てる」
もちろん折る作業もOKですが、まずは折り紙に慣れることを優先しましょう。
親としてのポイントは『〇〇に見える』という声掛けや意識付けです。折り紙を自由に操作して、何か他のモノを表現する活動自体を楽しみましょう。
ステップ②「折ってみる」
次は折り紙を実際に「折る」という作業にチャレンジします。
直接的に「折ってみて」と話しかけるよりも、親が折っている姿を真似して「自分から折り始める」の方が意欲的です。
スタートはモノを作るよりも形を作るようにします。
- 四角→三角:おにぎり・山・帽子
- 正方形→長方形:本・列車・バス
折る作業が始めると、角を合わせる練習のスタートです。
自分の作った作品で『ごっこ遊び』ができるようになると、折り紙に一気に没頭し始めます。
ステップ③「作品を折ってみる」
次は「モノを形作る」を目的に折ります。
花、犬、コップなど、簡単に折れる3〜5工程の作品がオススメです。
最近では書籍や専門サイト、SNSでも「折り方」が調べられます。
この辺から本格的に『折り紙』らしくなってきます。
一緒に作ったり作品で遊んだりすることが、子どもの「もっと作りたい」を刺激します。
ステップ④「手順に沿って折る」
最後は折図(折り方の手順)を見ながら、自分で考えて折ります。
矢印や点線など、折り方の説明を正確に理解する力が育ちます。
この段階では、親は手を出さず「次はどう折るって書いてある?」などの声掛け程度に留めましょう。
きっと失敗します。角がズレて形が不格好になるはずです。
そんな時、励まして再チャレンジを後押しすることが親の最大の役割です。
リードしながら『一緒に作る役割』から、サポートとして『フォローする役割』へと変化していきます。
少しずつレベルアップしていく姿が作品に現れるので、我が子の成長が楽しくなってくるはずです。
そのうち『これも自分で作ったの?』と、驚かされるような大作が完成するかもしれません。
まとめ
本記事では、小学校の入学前にやっておくべき遊びとして『折り紙』をテーマに解説しました。
- 算数の基本的な理解が深まる 図形はもちろん、対称、割り算、分数など、算数の学習と関連している部分の力が育ちます。
- 空間認知能力が磨かれる 形が変化していく様子から、頭の中で絵や図形を操作する空間認知能力が育ちます。
- 忍耐力がつく 何度も挑戦できる手軽さがあるので、繰り返し試行錯誤する忍耐力が育ちます。
- 集中力がつく 丁寧に角も揃えたり手順を正確に読み取ったりすることで集中力が育ちます。
- 自己肯定感が高まる 最後には目に見える形で作品が完成するので、達成感があり自己肯定感が高まります。
幼児期の折り紙の経験が、小学校生活の様々な場面で生かされます。
逆に折り紙の経験が不足すると『算数が苦手になる』や『指先のコントロールが苦手になる』などが、不安要素として表出する恐れがあります。
高額な月謝を払って遠くの習い事に通わせる前に、まず目の前のお子さんと一緒に机に向かい、1枚の『折り紙』からスタートしてみませんか?
先生&親としての一言
私はこれまで、たくさんの親子を教室で見てきました。
情報が簡単に入手できる世の中なので「知っている親」はたくさんいます。
ですが、「実際に行動する親」は、ほんの一握りです。
小学校で活躍する子どもの裏側には、必ずと言っていいほど一緒になって試行錯誤した親御さんの姿があります。
この記事を読み終えた今、早速100円ショップの折り紙コーナーへ向かってください。
家にあるチラシだって構いません。
まずは一緒に「おにぎり」や「だんご」を丸めることから始めてみましょう。

とにかく実際に行動することが大事!
- 角のズレもOK
- 敗れるのもOK
- 失敗するのもOK
その「試行錯誤の1枚」が、小学校の教室で「先生、できたよ!」と手を挙げる未来に直結します。
幼児期の内から習い事に取り組むのもいいですが、手軽で簡単な「折り紙」もおすすめですよ。